診療内容MEDICAL

■検査説明

最初に、糖尿病をお持ちの患者様に合併症の検査をさせていただいています。現時点での血管の状態、腎臓の状態、心臓の状態などを検査し、合併症の状態、今後の比較するための基準にさせてもらいたいと思っています。糖尿病の問題点は血管を長期にわたりぼろぼろにしていくこと。現時点での血管の状態を正しく評価して、今後の障害度合と比較していく必要があります。そのため当院初診の患者様には検査をお願いしております。

「検査?」

何を見ているのか?
「そもそも検査ってなんでするの?どうしてしなくてはいけないの? って疑問に思わないでしょうか?糖尿病に関連した検査を中心に、内科一般にも必要となる検査を見ていきましょう。

■血糖値

糖尿病において基本になる検査の一つです。空腹時と食後2時間値、随時血糖値を見ながら評価していきます。空腹時血糖値とは10時間以上の絶食後、早朝空腹のまま採血したときの血糖値です。食後2時間値とは食後2時間の血糖値は心血管疾患(心筋梗塞など)と関係があるといわれています。随時血糖値は、食事と採血時間を問わずに測定した血糖値。

■HbA1c

1ヶ月から2ヶ月の血糖の平均値です。糖尿病治療においての評価項目としては大切な項目の一つとなります。現在の治療目標の表を下に載せました。

合併症予防が糖尿病治療の一つの目標になります。7%未満を目指しましょう。

■尿検査

おしっこの検査では糖、タンパク質の漏れを主に見ています。人間の体は、本来栄養分を体外には出さないようになっています。しかし糖尿病により腎臓が障害されてくると、体にとって大切なタンパク質が尿に漏れ出てしまいます。糖尿病は糖尿病性腎症という怖い合併症を引き起こしますが、その一つの評価基準として尿のタンパク質を見ています。

■血算

貧血、感染症などのチェックに必要となります。糖尿病の合併症に腎障害があります。進行してくると、腎性貧血などの貧血を起こすことがあります。糖尿病と貧血は関係があります。

■ABI

動脈硬化を調べます。糖尿病治療の目標は合併症を起こさずにより良い生活を送ることにあります。合併症の大きな原因は高血糖による動脈硬化です。この動脈硬化を簡単に調べるための検査がABIです。針で刺すものではないので痛みありません。

■心電図
糖尿病は血管をボロボロにしていく病気です。心臓の血管が知らず知らずのうちに、不整脈、隠れ心筋梗塞など、糖尿病は心臓と密接な関係にあります。心臓の状態を評価します。痛みを伴う検査ではありません。

■胸部レントゲン

肺炎、心不全、COPDなど内科一般では欠かせない検査です。痛みを伴う検査ではありません。

■頸動脈エコー

首の血管を一つの指標にして視覚的に動脈硬化を調べる検査です。これは実際に血管を目で見て確認することで、いまの血管の状態を把握するために行います。痛みを伴う検査ではありません。

■腹部エコー

腹部の重要な臓器を視覚的に確認していく検査です。血糖値は膵臓だけでなく、ほかにも肝臓、腎臓などの腹部臓器と密接に関係しています。例えば、糖尿病の合併症である代表的な糖尿病腎症。腎臓の機能が次第に低下し、最終的には透析にまでなる恐ろしい疾患です。糖尿病性腎症は形態的に肥大化するという特徴があります。そのため腎臓の形態をチェックして行くことは糖尿病治療において非常に重要となります。糖尿病の発症は膵臓から分泌されるインスリンと関連があるように、その関係は密接です。定期的に膵臓をチェックしていくことは糖尿病診療において重要になります。他にも、糖尿病の合併症に脂肪肝などがあります。こうした合併症を視覚的に確認するための検査です。痛みを伴う検査ではありません。